太陽光発電システム導入の実状

太陽光発電システム導入の実状

当初、ソーラーパネルの耐用年数は20年以上とされ、その間はメンテナンスフリーといわれてきましたが、普及するにつれ実際には不具合を起こすものが少なくないことがわかってきました。
設置された太陽光発電システムを追跡調査したところ、対象数の1/3に何らかのトラブルが認められたというデータもあります。

 

発電出力4KWの場合、屋根には24枚ほどのソーラーパネルが設置されることとなり、その全てが期待した性能を出すとは限りません。
もちろん大量生産の工業製品ですから、ある程度のバラつきはあるでしょう。
問題となるのは、数枚のソーラーパネルに不具合が起こっても、ユーザーが気づかない場合がほとんどだということです。
トラブルといってもシステムが突然停止するわけではなく、しだいに発電量が落ちていくという現れ方なので、この時点で故障を疑えということ自体に無理があります。
また、少し発電量が落ちてきているとは思っていても、それが天候的・気候的要因によるものなのかどうかの判断がつきません。
この段階で業者に相談しても、問題無し、という回答になるのがほとんどのようです。
そして、発電量の数値が大きく下って初めて業者も故障として対応するという場合が多いようです。
したがって、不具合があっても放置されたままになっているソーラーパネルが相当数あるのではないかと言われています。

システムの不具合

不具合でもっとも多いのが通電不良による発電量の低下です。
不具合の原因としては、生産段階における不良と、施工段階における不良があります。
生産段階における不良は、出荷前の検査はクリアしていても、規定の性能を長く維持できないものが含まれてしまうことが原因です。
一部のセルに不具合があってもバイパス・ダイオードの働きによってそのセルが属するグループはパスして通電するので、ソーラーパネル自体は能力を落としたままの状態で稼働し続けることになります。
施工段階における不良は、パネルや器機の結線やハンダ付けの不良です。
ソーラーパネルの設置が完了した状態をユーザーが近くから確認できないため、実際にはかなり起こっている可能性があります。