太陽光発電システム販売の仕組み
当初、太陽光発電の販売はパネルメーカー主導によって行われていました。
メーカーの営業マンが直接ユーザー宅を訪問して販売を行い、契約はその地域の施工代理店とさせるという形が一般的な時期もあったようです。
施工代理店の場合、工事が本業なので営業力がそれほど強くないのと、パネルメーカー側も積極的に販売を推進するという事情があったためにこのような形がとられていました。
その後、強力な販売力を持った販売代理店が主道的に販売を行うようになり、それに伴って太陽光発電市場も急成長してきました。
太陽光発電市場におけるシステムインテグレーター
現在では、特定のパネルメーカーとの契約に縛られずに独立した形で販売を展開するシステムインテグレーターが市場を牽引しています。
システムインテグレーターは、ユーザーと販売契約を結ぶと、パネルメーカーから部品を仕入れ、地元の施工代理店業者に工事を発注します。
設計から施工管理・アフターメンテナンスまで一貫してシステムインテグレーターが行い、トラブル相談の窓口にもなるのが一般的です。
また、システムインテグレーターがメーカーと協同で開発した商品の販売を行っているケースもあります。
当初はメンテナンスフリーという謳い文句さえあった太陽光発電ですが、最近は思いのほか故障・トラブルも多いことが問題となっているため、アフターメンテナンスを売りにするシステムインテグレーターも少なくないようです。
施工代理店が地元の中小零細企業であることが多いのが現状ですが、万が一施工した業者が店を閉めてしまったとしてもシステムインテグレーターにしっかりとアフターケアを行ってもらえれば安心です。
太陽光発電システムは電気的な要素が多いので、テレビ等の家電製品と同じような感覚で捉えてしまいがちですが、20年以上の長期に渡って稼働するので、住宅に近い製品であると考えることが必要です。
システムインテグレーターの問題
システムインテグレーターが主導するこの方式は、住宅におけるハウスメーカーの販売システムとほぼ同じ仕組みになっています。
ユーザーへの販売・契約はハウスメーカーが行い、工事は地元の建設業者に発注するという方式です。
この方式は、ユーザーと建設業者を結びつけ、住宅市場の拡大にはおおいに貢献しましたが、一方ではいろいろな問題も提起しました。
ハウスメーカーの工事丸投げ・厳しい発注価格が原因の手抜き工事、責任の所在が明確ではないためにトラブルが起こった場合の無責任な対応など。
システムインテグレーターが部品の仕入を行う場合は多少違うかもしれませんが、部品も含めて工事一式を施工業者に発注する場合も少なくないと思われます。
意識が低いシステムインテグレーターが乱立した場合、同様の問題が多発する可能性もあります。
今後は、価格の安さだけではなく、システムインテグレーターが提供するサービスも含めて導入を検討する必要があります。