太陽光発電の見積もり
まずは見積もりを取ることが始まりです。
意中の業者でもある場合は別ですが、通常は複数の業者に見積もりを依頼します。
仮に依頼する業者が決まっていたとしても、参考のために見積もりを取ってみることは必要です。
インターネット上で複数の業者に見積もりが依頼できるサービスはご存じだと思います。
見積もり請求フォームには最低限の情報入力欄しかないのが一般的です。
建物の状態や屋根の形状も不明な状態では、その時点での1KWあたりの単価を元にした参考程度の概算見積もりしか出せないと思います。
ネットでの見積もり依頼は、業者との接点を提供するサービスだと認識しましょう。
とりあえず、1分程度で入力できる内容にして、まずは気軽にコンタクトしてもらうのが目的です。
フォームには訪問を希望するかどうか選択する欄があると思いますので、「希望する」を選択して、建物の現況を見てもらわないことには話は始まりません。
営業担当者が来訪したら、果たして家庭にとって高額の一大事業を託せる業者かどうか判断することになります。
建物が古い場合や形状が複雑な場合など、営業担当だけでなく技術担当も同行して、現状を把握し、必要な調査を行う必要があります。
フォームの自由記入欄に古い建物であることを記入したにもかかわらず、技術担当が来ない業者は今後にちょっと不安があります。
では、いったいどんな問題が考えられるのでしょうか。
屋根の状況による問題
屋根材の老朽化が進行している場合、そのまま太陽光発電システムを設置しても、すぐに屋根の修繕が必要になってしまう可能性もあります。
その場合、設置したソーラーパネルをいったん取りはすして屋根の修繕を行い、完了後に再設置することになります。
ソーラーパネルの取り外し・再設置は、非常に費用がかかる上に様々なトラブルの元にもなり、全くいいことがありません。
太陽光発電システムが稼働している間の屋根の修繕は、予想できる場合は前もって対策を施し、できるだけ避けるのが原則です。
また、一般的な戸建て住宅の屋根に設置するソーラーパネルの重量は架台も含めると300~400kgにもなります。
古い木造住宅の場合、ソーラーパネルを載せるのために何らかの補強が必要になる場合もあります。
気になる場合は、販売業者の意見をきき、必要であれば構造の検討をやってもらうのがいいでしょう。
金属屋根の場合
また、金属屋根の場合、定期的な塗り替えが必要になることも考えておく必要があります。
高耐候性塗装の場合、15~20年メンテナンス不要のものもありますが、一般的な塗装の場合、いい状態で保つには7~8年に1回程度の塗り替えが必要になります。
したがって、一般的な塗装の場合は、ソーラーパネルを設置する前に高耐候性塗装に塗り替える工事が必要となります。
また、屋根材の状態がよくない場合は屋根の葺き替え工事を行うかどうかまで検討する必要があります。
屋根の塗装工事だけですませるにしてもかなりの費用がかかることには違いありません。
13~14年で元が取れるはずが、決してそうはいかないことがわかります。
そういう事実が明らかになった場合、この時点で太陽光発電の導入を見合わせる人もいることでしょうが、見積もりを行った業者がそういう説明を行わない場合はそのまま契約に至ってしまうかもしれません。
その場合、後日、屋根修繕のために高額な工事費用を泣く泣く支払うことになる可能性もあります。
太陽光発電の導入に際しては、自宅の屋根の状況も合せて考慮することを忘れないようにしたいものですね。