パワーコンディショナの機能
パワーコンディショナは、ソーラーパネルと同一メーカーのものを使用するのが一般的なので、ユーザーが自由に選択できるわけではありません。
ただ、耐用年数が10~15年とシステム中では一番最初に交換時期が来る器機で、価格が30万円前後と安いものではないだけにユーザーの関心は高いようです。
パワーコンディショナの機能を一言でいうと、ソーラー・パネルによって発電された直流の電気を、家庭内の様々な電気製品で使用できるようにするために、100Vの交流に変換する、ということになります。
この「変換」という部分には必然的に効率の問題が生じることになりますが、これはメーカー・機種によって異なります。
大多数の機種の変換効率は94%前後となっていますが、三菱電機には97%前後という高い変換効率を実現している「PV-PN40G/PV-PN55Gは」という機種があります。
そのほか、パワーコンディショナには、太陽光発電システムを安全に運用するための様々な機能がが組み込まれています。
単体の価格は、最大定格出力4KWのもので30万円前後となっています。
パワーコンディショナの寿命・耐用年数
パワーコンディショナの寿命は一般的には10年程度と言われています。
ソーラーパネルの耐用年数はメーカーによれば20年以上となっていますから、パワーコンディショナは太陽光発電システムの中でもっとも短命な部品であるといえます。
基本的には工業生産の電気製品なのでバラつきもあり、5年程度で故障してしまう場合もあります。
完全に使用不能になり、発電量が0になるなどすればすぐに故障がわかるのですが、不具合で変換効率が落ちるなどして稼働し続ける場合もあります。
この場合も故障したパワーコンディショナはいずれは使用不能になってしまうと思いますが、不具合を抱えて発電量が落ちた状態で使用し続けた結果、売電収入で大きな損失を出してしまうことにもなりかねません。
また、故障に気づかずに保障期間を過ぎてしまい、損失を出した上に自前の費用で交換、というのでは泣きっ面に蜂ですね。
太陽光発電を導入したからには、最低でも普段の発電量のチェックが必要です。
パワーコンディショナの設置場所
パワーコンディショナの設置場所としては屋内が一般的ですが、外壁に取り付ける屋外型もあります。
システムをコントロールする器機なので、できれば安定した環境で稼働させるため屋内に設置するのがベストですが、太陽光発電を後付けする場合は屋内に設置場所が無いこともあり、そういうケースでは屋外設置型を選択します。
パワーコンディショナは電気を変換して供給するという機能上、分電盤の近辺に設置するのが一般的です。
戸建住宅の場合、分電盤は洗面脱衣室に設置するケースが多く、パワーコンディショナも同様に洗面脱衣室に設置することになります。
ただ、湿気が故障の原因になる場合も少なくないので、洗面脱衣室以外に設置することができないかどうか検討した方がいいでしょう。
パワーコンディショナは小型サイズのエアコン室内機程度の大きさがあり、器機内部にたまる熱気の排気も行うので、後から設置場所を考えるには少々難しい綿もあります。
新築住宅の場合、間取りを考える時点でパワーコンディショナの設置場所も決めて設計に盛り込んでおくのがベストです。