新築住宅の場合の見積もり
太陽光発電システムを設置した住宅を新築する場合、建物の工事契約を結んだ建設業者に一括で依頼するのが一般的です。
この場合は建設業者が太陽光発電システムの工事を発注するため、太陽光発電システムを施工する業者を建築主が選択できるとは限りません。
建設業者はいつも使っている業者に発注したいと考えるのが当然です。
知っている業者なら勝手がわかっているので工事上のトラブルも少ないし、工事費も安くすますこともできます。
ただ、このコスト減の部分がユーザーにきちんと還元されているかどうかは疑問です。
太陽光発電関連工事は、「太陽光発電システム工事」として、建物の工事見積もりに含まれていると思います。
単独に取る見積もりと違って、工事細目が少ないかもしれませんし、一式でいくらという大雑把な見積もりになっている場合もあるかもしれません。
通常、比較できるものが何もないので、ユーザーとしてはこの金額を受け入れる以外ありません。
建設業者としても、建物全体の値引き交渉だけですませたいので、個別の工事の価格交渉にあまり手間をかけたくないのが本音です。
新築工事見積もりにおける経費
建物工事の見積もりは、基礎工事・屋根工事・外壁工事など個別の工事を合計して算出しますが、合計した金額に10%程度の経費が上乗せされます。
これは、例えば基礎工事一式を外注した場合、外注した業者に支払う分の他に手配や段取り等で自社も費用としてかかる分があるという理由で上乗せされる金額です。
「太陽光発電システム工事」という工事項目がある場合、これにも他項目と同様に経費が上乗せされます。
ただし、他工事との関連で、仮設・運搬等の費用が安くすむ場合もあり、この経費にあまり神経質になる必要はないでしょう。
建物設計を建築士に依頼した場合
建築士に建物の設計を依頼している場合は、太陽光発電システムの工事費が適正なものであるかどうかの判断をゆだねることができます。
依頼したい業者や使いたいメーカーがある場合、希望を伝えて設計図書にその旨を書き込んでもらえば、建設業者はその業者・メーカーを使うことになります。
建設業者が図面通り適切に工事を行ったかどうかをチェックするのが建築士の業務なので、基本的なトラブルは未然に防ぐことができます。
太陽光発電システムの設置に建設業者の現場担当者が慣れていない場合など、取り合い工事等で基本的な誤りを犯す場合もないとはいえません。