ユーザーにできること
太陽光発電システムの点検において、ユーザーにできることはそう多くはありません。
ソーラーパネルは屋根に設置されているので、その状態を見ることすらできず、発電量の記録を取ることぐらいしかできないのが実情です。
ただ、この記録は故障があるかどうかを判断するための有力な資料となりえますので、しっかりと取っておくことが大切です。
発電量の記録
トラブルの早期発見には、ユーザーによる発電量の記録、販売した業者による点検サービス、などが欠かせません。
もっとも大切なのは、常にシステムに関心を持って運用していくというユーザーの心構えです。
ソーラーパネルは、屋根という苛酷で普段目視できない場所で稼働しているわけですから、その健康状態を知るには発電量の記録は必須です。
あまり細かく取る必要はありませんが、月ごとの発電量の推移は発電実績として記録しておく必要があります。
発電実績と期待発電量
実際には、記録した「発電実績」と「期待発電量」を比較して、その差が基準の範囲内に納まっているかどうかを検討することになります。
「期待発電量」は、設置した太陽光発電システムによって期待できる発電量のことで、ソーラーパネルの設置方向や設置角度、設置する地域や季節などの要素によって算出される固有で変動する数値なので、ユーザーが独自にこの数値を知ることは困難です。
導入時に自宅に設置した場合の期待発電量をきちんと提示されている場合、システムを販売した業者にはわかるはずなので、その業者に聞けば算出して教えてくれると思います。
年ごとのデータを比較した場合、「発電実績」が「期待発電量」を10%以上下回る状態が数年続いているような場合、何らかのトラブルが疑われます。
設置してからかなりの年月が経っている場合、ソーラーパネルの経年劣化によって発電量が落ちることも考慮する必要があります。